【競馬】休養明けの馬の取捨を判断するときに、「鉄砲実績」を信用してはいけない理由

最近、歳のせいか酒のせいか、休んでもなかなか疲れが取れません。どうも、ノブです。

この記事では『休み明け』について考えてみました。

休み明けの馬について考える

人間の場合、長く休んでリフレッシュすると、

休み明けが苦手

あ~、仕事行くのだりぃわマジで…

という人と、

休み明けから元気

さ、リフレッシュできたし気分一新、また頑張るか~

というパターンに別れますよね。
僕はわりと前者のような気がしますが(笑)

ま、仕事にやりがいを感じているか等、状況によっても変わってくると思うので一概には言えませんが、人によって違うでしょう。

って、人間のことはどうでもいいですね。しかもサラリーマンと比較してもしょうがないか(笑)

さて、前置きはいいとして肝心の馬はどうなんでしょう?

結論から言ってしまえば、馬によります

いきなり身も蓋もないことを言うようですが、馬によるのですから仕方ありません。

そのため、各競馬新聞では休養明けの馬に対し『鉄砲実績』というものを記載しています。

『鉄砲実績』は信用できる?

鉄砲実績とは競馬においては「休養明けの実績」のことを指すわけですが、競馬新聞には休養明けの場合、ほぼ必ず鉄砲実績(新聞によっては2走目実績まで)が記載されています。

つまり、そこから鉄砲実績が優秀な馬であれば、休み明けであっても押さえたほうが良いし、鉄砲実績がイマイチの馬は割引きですよ~と読み取れるわけです。

が、果たして本当にそうなのでしょうか。

実はこの鉄砲実績、いくつか問題があります。

問題①

どのくらい休んだら『休養』とみなすのか、基準が曖昧であること。

新聞によって、2か月以上を休養とみなしている新聞もあれば、3か月以上から休養として記載している新聞もあります。一般的には2カ月以上としているところが多いようですが、しかし、どちらが正しいのかは曖昧です。

問題②

鉄砲実績に休養期間が考慮されていない。

例えば、以前に一度、3か月の休養を挟んで着外に負けたことがある馬の鉄砲実績は[0.0.0.1]となります。

一方、以前に一度、1年以上の休養を挟んで着外に負けたことがある馬の鉄砲実績も同じく[0.0.0.1]となります。

これ、同列に考えるのはおかしくない?ということです。

問題③

休養の理由も考慮されていない。

例えば、同じ半年間の休養であっても、その理由は

・リフレッシュ放牧
・脚部不安による様子見
・軽度の骨折
・去勢手術
etc…

と、いろいろあります。

当然ながらその休養理由によって復帰に向けた調教なども変わってくるわけですし、本来、これらを同列に論じることはできないはずなのです。

ちなみに、新聞によっては休養理由を記載している新聞もありますが、それが鉄砲実績に考慮されているわけでありません。

このように、新聞で確認できる鉄砲実績については、そのまま鵜呑みにすることはできないと言えます。

ですので、休養明けの馬を検討する際は、鉄砲実績については、無視しないまでもあくまで参考程度とし、馬柱で確認できる範囲の直近の休養明け実績と、厩舎コメントを参考に考えるのが一番理に適っているのではないかと考えています。

3か月の休養は割り引く必要なし

さて、ここまで鉄砲実績についての考察をしてまいりましたが、ここからはお馬さんの休養について、僕の考え方をお伝えします。

僕は常に、

「3か月など休養のうちに入らん!」と考えています。

ちょっと語弊がありそうなので、補足すると、

3か月程度の休養で割引く必要は一切ない

ということ。

なぜなら普通に考えて、3か月程度の休養であれば、まず骨折や手術などという事はなく、リフレッシュ休暇であることがほとんどです。

あってもせいぜいちょっとした外傷や感冒程度で、馬にとってはリフレッシュとなることが多い。

つまり、鉄砲実績がどうであろうと、3か月程度の休養明けはプラスになる事はあれどマイナス要素になることはほとんどない、ということです。

馬によっては良いリフレッシュになり、寧ろ元気になることも多いですからね。

では、どれだけ休んだら割引なのか

3か月程度の休養ではマイナスになることはないとお伝えしましたが、そうすると

あなた

じゃあ、どれだけ休んだらマイナスになるんですか?

という疑問が出てくると思いますのでお答えします。

これまでのデータをもとに考察した結果、僕は10か月以上休養した馬を割引の対象と考えることにしています。

なぜなら、統計的に休養が10か月を超えると好走率が下がるためです。これは、10か月以上の休養となると、骨折や手術など長期で休養せざるを得ない理由で休養する馬も多くなってくることが理由として考えられます。

また、調教技術なども進歩したとはいえ、やはり実戦勘も鈍るのかもしれませんね。

ただ、長期休養明けでも上位人気に支持されるような馬は好走率がそれほど下がりません。つまり、10か月以上の長期休養明けでも上位人気に支持されるような馬は安易に切らないよう注意が必要です。

これは、下記の『人気があるのには理由がある』の記事でも書きましたが、長期の休み明けであるにも関わらず、様々なファクターから多くの人に「この馬が勝ちそうだ」と判断されているからです。

要するに、休み明けだろうが「強いものは強い」ということです。

4か月~9か月の休養は?

「3か月は割引対象とせず、10か月以上を割引対象とする」

となると、その間の4~9か月の休養は?という疑問が出てくると思いますが、これは、休養した理由によります。

4~9か月の休養の場合も、とくにケガも手術も無いリフレッシュ休暇であれば、基本的には割引きません。

ただし、厩舎コメントが明らかに自信がないコメントである場合などはその限りではありません。そのあたりは、新聞の厩舎コメントの欄を確認することで問題なく判断することができるはずです。

ちなみに、よく「小柄な馬のほうが鉄砲が効く」と言われていますが、迷信です。寧ろデータ上は、480kg以上の馬のほうが休み明けの成績がいいという数字が出ています。

もちろん例外もある

基本的に10か月以上の休養明けを割引の対象とお伝えしましたが、もちろん例外もあります。

最も有名な所では、丸一年ぶりの出走で有馬記念を制したというトウカイテイオーの例がありますし、他にも一年以上休んでGⅡを勝ったシャケトラの例などもあります。

しかし、そんなのは本当に稀な例です。

もし万が一、そんな場面に遭遇してしまった場合は、出遅れや落馬と同様、事故に遭ったと思って諦めましょう(笑)

休養明けの好走率が下がる条件

さて、ここまで、10か月未満の休養に関しては割り引く必要はないと書いてきましたが、実はたとえ3か月でも休養明けだと好走率が下がってしまう条件と言うのがあります。

もちろん、絶対走らないというわけではないのですが、休養明けよりも、中1週など間隔を詰めて使っているほうが明らかに好走率が高いのです。

その条件とは、

1200m以下のレース

芝でもダートでも言えることですが、とくにダートでその傾向が顕著です。

おそらくスピードが要求されるレースだけに、休養明けだとエンジンが温まっていないからではないかと考えられますが、実際にこの傾向はデータで明らかになっているので間違いありません。

これは知っておいて損はないんじゃないでしょうか。

まとめ

半年未満の休養については、馬にとっては「良いリフレッシュ」となり、寧ろパフォーマンスが上がる場合もあります。そのため、1200m以下の短距離レース以外は基本的に休養期間10か月未満は割引対象としない、とお伝えしました。

これは、休養期間と人気における好走率をまとめたデータに裏打ちされた考え方です。

あなた

でも、感覚的には休養期間が長いと凡走が多いイメージがあるけどなぁ…。

と言う人も多いと思いますが、それはおそらく

休養期間が長い=本来の実力よりも評価(人気)が下がる

ため、人気も好走率も一緒に下がるのだと考えられます。つまり、実際には、よほどの長期休暇でなければ「人気馬が休み明けを理由に凡走する」ということはほとんどないということ。

ですから、好走する根拠(買い要素)がある馬については、休み明けを理由に評価を下げる必要はない、というわけです。

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